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第27号 H25.10.19 「幸福に対する考え方」

人間は誰もが幸福を望みます。

この幸福とは社会的地位や多くの金銭を持つことを幸福と感じる人もいれば、健康で不自由でなければ良いと考える人もいます。


 しかし、これらの幸福は一生に渡って続く物ではありません。

 社会的な流れであるとか、環境の変化によって人の生活環境は変わってしまいます。


 テレビや新聞において、栄華を極めていた人が転落したり、不慮な事故や事件に巻き込まれた事で苦しんでいる姿を多く報じられ、誰もが分かっています。


 ですので、私たちが普段思っている幸福というのは一時的で不安定なのです。

 私たち日蓮正宗を信仰する者はそのような幸福を目指すとは違います。


 それは絶対的な幸福を目指すという事であります。

 この絶対的な幸福とは即身成仏の境界を目指すという事であります。

 絶対的な幸福、即身成仏とは死んで素晴らしい世界に行くのでもなく、人間とかけ離れた超越者になることではありません。

 私たちの命の中には下は地獄、餓鬼、畜生という命から最上は仏界までの命が含まれています。

 その最上の命である仏界を引き出す事が即身成仏の境界なのであります。


 この即身成仏の境界とは周りの状況に紛動されることなく、苦しみの中においても切り開いていける力強い生命力と勝れた智慧を持つことであります。

 周りの状況の変化によっても一喜一憂することなく、生きていくことができるのであります。

 この即身成仏の境界を得るには信心修行をしなければ、得ることはできません。

 よって日々の信心修行の積み重ねが大切になってくるのです。


 ただし、自分だけが幸せになろうと考える人はこの境界を得ることは出来ません。

 周りの人を救おうとする命を持つ事が大切で、これが慈悲の心を持つという事です。

 この中で自分だけしか考えていない人は改めて考え直し、縁のある人を救っていこうと御本尊様に祈り、行動に移す必要があります。


 それは折伏行であります。その行いが自分の境界を高めることになりますので、日々の生活の中で実践してまいりましょう。


発心杖|2013年10月19日

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