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今月の指針8月号「人を樹える(うえる)」

 「一年の計は穀を樹(う)うるに如(し)くな莫(な)く、十年の計は木を樹うるに如くな莫く、終身の計は人を樹うるに如くな莫し。一樹一穫なる者は穀なり、一樹十穫なる者は木なり。一樹百穫なる者は人なり。」

  (『管子』)


 一年は穀物、十年は樹木、そして百年の大計は所詮、人を樹=植えること如くは無しです。

一人の有為な人材の輩出は、その百倍の人材の育成に繋がる、それが一樹百穫です。


 翻って私達の大願は広布です。人材育成が最重要であることは論を俟(ま)ちません。

大聖人が『持妙法華問答抄』に、

「一切の仏法も又人によ(依)りて弘まるべし。」

  (新編298頁)

と説かれている通りです。


 しかし、信心修行の上からは、あくまで人より法が大事です。人は不安定で法が歪められる恐れがあるからです。

仏滅の分裂分派や大聖人滅後の五老僧の師敵対の姿を見れば明らかです。大聖人があまたの弟子の中から日興上人に唯授一人の血脈を授けたからこそ、正法は久住してきたのです。

仏法実践の上からは、あくまで法勝人劣の身軽法重・依法不依人が基本です。


 一方、法を弘めるのは「人」が主体です。

「法自(おの)づから弘まらず、人、法を弘むるが故に人法ともに尊し。」

  (『百六ヵ箇抄』新編1689頁)

の御文を拝するまでもありません。正法を活かすも殺すも人次第。

法華講は、地涌の使命を帯びたかけがえのない広布の組織です。広布の大願の中にこそ、我が小願ありと心得て、常精進の生活を心掛けることが重要です。


 佐渡御赦免後の身延御入山も人材育成が大きな理由です。

身延を離山された御開山日興上人が、大石寺創建後ほどなく大石寺東方の重須(おもす)に移られたのも広布の人材育成が最大理由です。万代広布を見据えた厳格な人材育成があってこその広布です。


 総本山大石寺に唯授一人の血脈相承と共に本門戒壇大御本尊が厳護され、一生成仏を目指す熱原法華講の末裔が存在し、異体同心の結束があることを忘れてはなりません。

七百年常に広布の人材育成を宗是として歩み続けてきた宗門の尊き歴史に感謝を忘れず、確実な法統相続と広布後継の育成に熱い思いを馳せながら、更なる広布開拓に挑んでまいりましょう。


清涼寺 寺報 「従藍而青」

今月の指針 指導教師 石橋頂道 御尊師

2025年8月1日号より

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