今月の指針3月号「常・楽・我・浄」 常楽我浄
人間は、誰でも幸福を求めて生きています。
そのために社会的地位や名声を追い求める人、
「幸福は金!次第」とばかりに蓄財に精を出す人、
「健康で好きな人と一緒なら、たとえ平凡な暮らしでも幸せよ!」という人
など幸福の基準は、人それぞれです。
しかし、こうした幸せはいつ崩れ去るともわからない天界の幸せです。
財産があるばかりに骨肉相食む餓鬼界(がきかい)にさまよう姿は珍しくありません。
また今はどんなに若さと美貌を誇っていても、寄る年並みには勝てません。皺や白髪に悩まされるのは時間の問題です。
経済不安や突然襲いかかる天変地異など、この世は苦悩の尽きない娑婆世界の忍土なのです。
ところで揺るぎない成仏という不動の境界を目指す正しい信仰は、これらの苦悩を波乗りのようにダイナミックに乗り越える強靭(きょうじん)で自在な人生を教えています。
何物にも侵されない自由自在の生命(常)。
生きていくこと自体が楽しい絶対の幸福の境界(楽)。
何物にも紛動されない強靱な主体性(我)。
何物にも染まらない清浄な生命(浄)。
これら常・楽・我・浄の生命を躍動させるために正しい信仰があることを忘れてはなりません。この絶対的な幸福の道を万人に開くために、日蓮大聖人は大慈悲を起こして三大秘法の大御本尊を建立されたのです。
御書に、
「南無妙法蓮華経とばかり唱えて仏になるべき事尤も大切なり。」
(新編1388頁) と。
更に『四条金吾殿御返事』に、
「一切衆生、南無妙法蓮華経と唱ふるより外の遊楽なきなり。経に云はく『衆生所遊楽』云々」
(新編991頁) と。
末法の時に適った最高の仏法に巡り会えた悦びと、三大秘法の御本尊に独一本門の題目を唱えて命を磨く幸せを噛み締めながら、そこに湧き上がる慈悲心を折伏の原動力として勇 躍広布へ邁進したいものです。
「自行満ちて化他あり」と。いよいよ自行の充実を図り、「一月一地区一名の折伏成就」を成し遂げて、尊き使命を果たしてまいりましょう。
清涼寺 寺報 「従藍而青」
今月の指針 指導教師 石橋頂道 御尊師
2025年3月1日号より