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今月の指針 3月号「根源を忘れるな!」

現代は、万事、便利で快適な安・近・短がもてはやされる軽佻浮薄(けいちょうふはく)な時代です。

物で栄えて心で滅ぶ、そんな時代に生きながら、目先のことや上辺だけに目を奪われて本質や根本を見失い、予期せぬ躓(つまず)きや失敗に繋がることも少なくありません。


 大聖人は、『華果(けか)成就御書』に、

「たとへば根ふかきときんば枝葉かれず、源に水あれば流れかは(乾)かず。火はたきヾ(薪)か(欠)くればたへぬ。草木は大地なくして生長する事あるべからず。」

    (新編1225頁)

と仰せです。

根が深ければ、幹が伸びて枝葉が茂る。水源の豊かな川の流れは尽きることがありません。

薪が尽きればやがて火は消え、枯れた大地に豊かな収穫は望むべくもありません。

根の深さ、水源の豊かさ、肥沃な大地、これが大事なのです。


 草原に一陣の風が吹き抜けると一斉になぎ倒される草木のなかで、根の強(勁)いものだけが立ち残る。

正しい信心で心身を鍛え、幾多の風雪に耐えて社会に深く根を下ろしてこそ、堅実で豊かな人生が開かれていくのです。


 さて暦の上では春、弥生、三月です。厳しい余寒の中にも、春の気配を感じます。

大地の恵みを吸い上げながら風雪を凌いで来た山野の草木が、元気に春を告げる姿には頭が下がります。

長引くコロナ下、四季を選ばず広布の使命に燃えて常唱題し常折伏に励む同志の姿は、敬服に値します。

広布に停滞はありません。声を掛け合い励まし合って前進してまいりましょう。


 どこまでも私達の信仰の根源は、総本山大石寺に まします戒壇の大御本尊です。

末法の御本仏・日蓮大聖人が魂魄(こんぱく)をとどめられた一閻浮提第一の御本尊です。

総本山中興の祖・日寛上人は、

「無量無辺にして広大深遠の妙用(みょうゆう)あり、故に暫(しばら)くも此の本尊を信じて南無妙法蓮華経と唱うれば、則(すなわ)ち祈りとして叶(かな)わざることなく云々。」

    (『観心本尊抄文段』)

と、偉大な功徳を明示されています。

私達は、いついかなる時もこの根源を忘れてはなりません。

この大御本尊を人生の根本に据(す)えて、日々の勤行・唱題に懈怠(けたい)なく信心の根を深く張れば、物心両面にわたる豊かな人生が約束されるのです。

「決めて、祈って、動く」。この折伏の方程式を改めて肝に銘じ、自行を満たして折伏化他に果敢に挑んでまいりましょう。


清涼寺 寺報 「従藍而青」

今月の指針 指導教師 石橋頂道 御尊師

2023年3月1日号より

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