今月の指針4月号「飴と鞭」 勧誡二門
かつて日本のプロ野球で、管理野球がいいか、放任野球がいいか話題になったことがあります。
選手を厳しい管理下において、勝利に繋(つな)げようとするの管理野球。禁煙・禁酒・門限等々厳しい制約で選手を管理して質の向上を図り、チームを優勝に導こうというわけです。
それに対して放任野球は、選手のプロ意識を信頼して、あま りウルサく注意せず、のびのびやらせて試合に勝つ。もし成績が悪ければ自業自得、給料も減り、挙げ句の果ては解雇というわけです。
結果は、優劣つけがたい成績であったように記憶しています。飴と鞭、アクセルとブレーキ、いずれも一辺にかたよらない絶妙のバランス感覚が大事です。
俗諺に、「三つ叱って五つ褒(ほ)め、七つ教えてよき人にせよ」と。相反するものをうまく操るバランス感覚は、何事においても大事です。これがうまくいけば、その絶妙のバランスを人々は称賛します。
複雑な人間の心、移ろい易い人の心、つかみどころのない意馬心猿の人間の心ほどコントロールが難しいものはありません。
山の賊の退治より、心の賊のほうが難敵です。心こそ心惑わす心であるゆえに決して心の駒の手綱を許してはなりません。
仏教には、勧誡二門があります。折伏にも育成にも信心の深化 にも、時に優しく時に厳しい勧誡二門の使い分け大事です。
仏教の最高峰・法華経には、一念三千の理論が明かされています。本来三千もの様々な心が具わっている命が、善悪様々な縁に触れて、次から次へと顔を出し、それが幸・不幸の結果をもたらすのです。
日蓮大聖人が顕された一閻浮提最高の三大秘法の大御本尊は、悩める心、惑える心、暴れる心、あらゆる心を磨き整えて最高の力を発揮する源泉であり原動力です。
無上の縁である御本尊に題目を唱えて、時に勧、時に誡、硬軟織り交ぜて柔軟に対応するところに、信心の喜びと折伏の楽しさ、引いては生きること自体が楽しい自受法楽の人生が開かれていくのです。
清涼寺 寺報 「従藍而青」
今月の指針 指導教師 石橋頂道 御尊師
2026年4月1日号より
