今月の指針8月号「一を聞いて十を知る」 マンゴーの美味しい季節
マンゴーの美味しい季節です。
ある経典に次のような話があります。
主人の使いで市場にやって来た召使いが、美味しそうなマンゴーの品定めをしています。するとすかさず、「ここのマンゴーは、粒よりでどれも皆上等で美味しいよ!」と店の主人の声がかかります。
少し愚かで疑い深い召使いには、俄(にわ)かには信じられません。
「一つ試食してみてご覧よ。そうすれば本当に美味しいかどうか分かるから」
言われるままに手に取って食べてみると確かに美味い、しかし待てよ! どれもこれも皆美味とは限らない。そう考えた召使いは、一つ一つみんな囓(かじ)って、齧り跡のついたマンゴーばかりを五、六個嬉しそうに持ち帰ったそうな。
それを見た主人のあきれ顔が眼に浮かぶようです。
極樂の楽しさ、地獄の苦しさをいくら話して聞かせても一向に信じない。この目で確かめなければ、といって自ら命を断った凡夫の愚かさを説いた譬(たと)え話です。
日蓮大聖人は、過去を知らんと欲せば現在の果を見よ、未来の果を知りたければ現在の因を見よ、と教えられています。
三世永遠の生命とはいえ、無始の過去も無終の未来も、全て現在の命の中に凝縮(ぎょうしゅく)されています。過去の罪障消滅も未来の成仏も、すべて現在の修行いかんにかかっています。
一々みな囓ってみなくても、一つ味わえばあとは推(お)して知るべし、「一を聞いて十を知る(『論語』公冶長)」賢さが大切です。
日蓮大聖人の教えを素直に信じ、三大秘法の大御本尊に南無妙法蓮華経と唱える直道(じきどう)に、私達の真の成仏、真の幸福の果実があることを深く確信したいものです。
真夏の炎天下、折伏育成に勤(いそ)しむ地涌の同志の額に流れる汗は、自他ともに真の幸福をもたらす現世安穏・後生善処の尊い汗に違いありません。
お互いに声を変え合い、誘い合って更なる精進重ねてまいりましょう。
清涼寺 寺報 「従藍而青」
今月の指針 指導教師 石橋頂道 御尊師
2026年8月1日号より

