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今月の指針10月号「生きた学問、生きた信仰」

 現在、私達の身の周りには、たくさんのLEDが使用されています。

家庭にあっては超薄型テレビ、車のヘッドライトや逆光に強い交通信号機、街のあちこちで目にする電光掲示板、携帯電話の液晶画面、飛躍的に容量が増したレイザーディスクなど、数え上げればきりがありません。省力化も進み、環境にも優しく、温暖化対策の切り札として大いに期待されています。


 「20世紀は白熱灯が照らし、21世紀はLEDが照らす」。

エジソン以来の常識を覆(くつがえ)して20世紀中は不可能とまで言われた青色LEDの革命的な発明によってあらゆる色を作り出すことができるようになったのです。基礎理論の「実用化」が、ノーベル物理学賞受賞の決め手になったことは記憶に新しいところです。

「生きた学問」とは、正にこういうことを指すのです。


 私達の信仰も、単なる信心のための信心であってはなりません。

功徳が原動力となって生活が豊かになり、生きる勇気と智慧を与えてくれるものでなければ価値がありません。単なる気休めや一服の清涼剤でなく、命を見つめ、真に生きる力であってこその信心です。


 私達にとって朝夕の勤行は、基本中の基本です。

だからといって勤行さえしていればいいのではありません。その実践を基盤として何事にも真剣に取り組み、人一倍努力を重ねることが大事です。そこに旺盛な生命力と智慧が涌いてくるのです。


 勝れた理論も実用化によって初めて生活が豊かになります。信心即生活も、体である信心の功徳が生活の上に溢れてこそ揺るぎない境界、生きること自体が楽しい自受法楽の境界が開かれてくるのです。


 自行が満ちて境界が開け、やがて化他の心が芽生えて折伏の意欲を掻き立てる。

自行の充実は折伏の原動力です。決めて祈って動けば、折伏は必ず実を結びます。

御会式の十月を迎えて一層信心の確信を深め、地涌の菩薩行に励んで価値ある人生を生き抜いてまいりましょう。


清涼寺 寺報 「従藍而青」

今月の指針 指導教師 石橋頂道 御尊師

2023年10月1日号より

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