
住職法話
美畑山清涼寺住職 石橋頂道御尊師の法話を紹介
年頭の辞「水は舟を浮かべ、また覆す(くつがえす)」
令和七年、明けましておめでとうございます。
古徳の言葉に、
「水はよく舟を浮かべ、また舟を覆す。薬はよく病を治し、また身命を害す。万般ことごとくしかなり。」と。
御書にも、
「水は能く船をたすけ・水は能く船をやぶる、五穀は人をやしない・人を損ず。」
(『神国王御書』新編1301頁)
と説かれています。
舟を浮かべる力と転覆させる力を合わせ持つ水。良薬も服用を誤れば毒となる危険。五穀も食べ過ぎればかえって健康を害します。
もの事の二面性を知ってこそ初めて本来の力や素晴らしい効能の恩恵に預かることができることを知らなければなりません。
「酒は飲んでも、飲まれるな!」。
孤独を癒(いや)し、旧交を温め、交誼(こ うぎ)を深める最良の酒も度が過ぎれば、一転悪役に早変わり、健康を損ない、喧嘩に発展し、遂には身を滅ぼして、「百薬の長」も台無しです。
十界互具・一念三千の人間の命は、迷悟をはじめ様々な命が、三世の因果に貫かれて同居する多面的な複合体です。それが種々の縁に触れてあらわれてきます。
最上の縁に触れれば、仏性が磨かれて強い生命力となり、悪縁に染まれば貪瞋痴(とんじんち)に支配された六道輪廻(ろくどうりんね)の迷いに沈淪(ちんりん)するのです。
御本仏日蓮大聖人は、命を磨き、仏界を涌現し、六根を浄めるために三大秘法の大御本尊を顕されました。
煩悩・生死の苦しみを菩提・涅槃の喜びに変えて、真の幸福を確立する道は、大御本尊への真摯(しんし)な信仰以外にありません。
『活動充実の年』 これが本年私達に与えられた通年の年間方針です。
日々活き活きと行動を充実させる最高の妙薬は、正しき勤行・唱題の励行です。
無上の縁に向かって確実に勤行・唱題をすれば、煩悩・業・苦に染められた命が磨かれて生活が充実し、わが身を折伏に駆り立てます。
「決めて、祈って、動けば叶う」。折伏の不変の方程式です。
加えて広布の人材育成は火急の課題です。
万代広布を見据(みす)えて人材養成に寧日(ねいじつ)なかった身延隠棲(いんせい)時代の宗祖大聖人。
大石寺建立後わずか八年にして後事を日目上人に託し、隣郷(りんごう)・北山重須(おもす)に移り、広布千年の計に立って弟子の育成に35年もの長き時間を費やされた第二祖日興上人。
広布の淵源(えんげん)にある宗開両祖が示された育成の大事を鑑(かがみ)として、いよいよ私達は、個人・家・講中の法統相続に最大限の力を注いでいかなければなりません。
日々新たな発心(ほっしん)のもと勤行・唱題を確実に実践しつつ、尊き広布の使命を全(まっと)うしてまいりましょう。
「活動充実の年」の一年間、皆様の御健勝と御健闘を心よりお祈り申し上げ年頭の辞といたします。
清涼寺 寺報 「従藍而青」
年頭の辞 指導教師 石橋頂道 御尊師
2025年1月1日号より
今月の指針12月号「臨終 只今にあり」(りんじゅう ただいまにあり)
西洋のある偉人は、どんなに金にケチな人でも時間には実に寛大、求められるままにすぐに差し出す、と歎いています。
一日二十四時間、平等に与えられた時間を効率的に大事に使えば、快適な生活と有意義な人生が約束されるのに、凡夫は無為に過ごして「忙しい、忙しい」が口癖です。それは、単に時間の 使い方が下手で、無駄が多いのかもしれません。
時間の使い方が、人生の幸・不幸さえ左右します。私達の命は永遠、しかし限りある今生の命は、瞬(またた)く間に過ぎ去る無常の命です。努々(ゆめゆめ)無駄に費やしてはなりません。
「死は一定」、生ある者は必ず死する習いです。しかもその順序に定めはありません。
夭折(ようせつ)、人生半ばの不本意な死、子に先立たれる親の無念、見舞われた人が見舞ってくれた人の葬儀に出向くなど、人生は百態百様です。
定年して時間に余裕が出来たら、ゆっくり人生を考えよう。信仰? まだその必要を感じない。年をとって死を意識する頃になったら考えるよ。よく聞く話です。
しかし人生一寸先は闇。しかも老境まで難なく生きる保証は誰にもありません。
だからこそ日蓮大聖人は、